ISO発行・改訂情報
ISO22000:2018移行支援
1.ISO22000:2018の発行
2018年6月にISO22000:2018「食品安全マネジメントシステム-フードチェーンのあらゆる組織に対する要求事項」が発行されました。 この規格は、ISO22000:2005の改訂版であり、ISO22000:2005の認証企業は3年以内に新規格に移行する必要があります。 移行審査を受けるにあたっては、FSMS(食品安全マネジメントシステム)を改訂版ISO22000に準拠したシステムに変更し、運用している実績(内部監査、マネジメントレビュー)が必要となります。 また、運用開始時には、改めて新FSMSの社員教育や内部監査員への教育も必要となります。
2.ISO22000:2018の構成
ISO22000:2018は、構成が大きく変わりました。マネジメントシステムの共通構造(HLSと呼ばれる)を採用し、箇条4~10からなるPDCA(Plan:箇条4~7 Do:箇条8 Check:箇条9 Act:箇条10)で構成されています。
改訂案の構成 | |
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Plan (計画) |
4. 組織の状況 |
5. リーダーシップ 5.1 リーダーシップ及びコミットメント 5.2 方針 5.3 組織の役割、責任及び権限 |
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6. 計画 6.1 リスク及び機会への取り組み 6.2 食品安全マネジメントシステムの目標及びそれを達成するための計画策定 6.3 変更の計画 |
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Do (実施) |
7. 支援 7.1 資源 7.2 力量 7.3 認識 7.4 コミュニケーション 7.5 文書化した情報 |
8. 運用 8.1 運用の計画及び管理 8.2 前提条件プログラム(PRPs) 8.3 トレーサビリティシステム 8.4 緊急事態への準備及び対応 8.5 ハザードの管理 8.6 PRP及びハザード管理プランを規定する情報の更新 8.7 モニタリング及び測定の管理 8.8 PRP及びハザード管理プランに関する検証 8.9 製品及び工程の不適合の管理 |
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Check (チェック) |
9. パフォーマンス評価 9.1 モニタリング、測定、分析及び評価 9.2 内部監査 9.3 マネジメントレビュー |
Act (処置・改善) |
10. 改善 10.1 不適合及び是正処置 10.2 継続的改善 10.3 食品安全マネジメントシステムの更新 |
3.ISO22000:2018の主な改訂内容
ISO22000:2018の主な改訂内容は、旧版(2005年版)の基本的な取組みを活かしながら、他のISOマネジメントシステムの規格構成の共通化が特徴です。
今回の改訂は、一見大きな変更は無いように見受けられますが、①HLS、②リスク及び機会への取組み、③パフォーマンスの評価等、新たに追加、補強される要求事項に対応するためには、組織には相当な負荷が掛かると推測されます。
章 | 改訂ポイント【条項番号】 |
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4. 組織の状況 | ・組織の外部/内部の課題の決定・監視・レビュー [4.1] |
・利害関係者及びその要求事項の決定・監視・レビュー [4.2] | |
・外部/内部の課題、利害関係者の要求事項を考慮したFSMSの適用範囲の決定 [4.3] | |
5. リーダーシップ | ・規制・顧客要求事項を満たすこと、継続的改善、力量を確保する取り組みを含む方針の設定。 ・方針の利害関係者への開示方法の設定 [5.2] |
6. 計画 |
・リスクと機会を決定、その取り組みの計画 [6.1] |
・食品安全目標の設定、その実行計画の策定 [6.2] | |
7. 支援 |
・外部で開発されたFSMSの要素の自組織への適用方法 [7.1.5] |
・外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理(外部提供者の評価選定) [7.1.6] | |
・コミュニケーション方法(内容、時期、対象者、方法、責任者)の設定 [7.4.1] | |
・“文書” “記録”の表現が“文書化された情報”に統一された [7.5] | |
8. 運用 |
・トレーサビリティシステムの有効性の検証、試験 [8.3] |
・緊急事態及びインシデントへの対応の手順(内容詳細が追加) [8.4.2] | |
・工程及び工程環境の記述(内容詳細が追加) [8.5.1.5.3] | |
・管理手段の選択及びカテゴリー分けのアプローチの方法(詳細が追加) [8.5.2.4] | |
9. パフォーマンス評価 |
・モニタリング、測定、分析及び評価の対象・時期・方法の設定 [9.1] |
・マネジメントレビューのインプット事項の追加(FSMSに関連する外部及び内部の課題の変化、その他の考慮など) [9.3] | |
10. 改善 | ・(製品以外の不適合に関する)是正処置の明確化 [10.2] |
4.推奨する改訂対応
以下を考慮し、移行期間内(2021年6月まで)に、移行審査を受審し、新規格での認証が得られるように計画的に作業ください。
1) 食品安全マニュアル及び関連文書・記録様式をISO22000:2018に合わせて全面的に改訂する。
2) 新FSMSを運用して内部監査、マネジメントレビューを実施し、移行審査に備える。
5.テクノソフトのISO22000:2018移行支援
支援項目
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支援内容
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成果物/支援結果
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A |
ISO22000:2018改訂内容の説明 |
半日程度の訪問で改訂内容について解説 | 改訂内容の理解 |
B |
システムの再構築 (マニュアル及び関連文書の改訂) |
文書改訂は訪問打合せで改訂後の内容を説明 | マニュアル、関連文書 |
C |
運用支援 |
改訂システムの運用状況のチェック、不適合等の是正及び改善の指導 | システムの改善 |
D |
ISO22000:2018対応 内部監査員養成セミナー |
1日の訪問セミナーで実施し修了証を交付 | ISO22000:2018対応内部監査員 |
E |
審査前準備 |
教育訓練、内部監査、マネジメントレビュー実施記録の確認と移行審査に向けての準備事項を説明 | 審査前準備の完了 |
F |
移行審査への対応 |
移行審査の指摘対応の検討と内容確認 | 移行登録証 |