ISOリフォーム:ISO9001(品質マネジメントシステム)の簡素化と活動の活性化へ
認証取得企業の概要
- 業種:食品製造
- 従業員規模:25人
- 支援期間:6ヶ月
1.企業ニーズ
同社はメイン顧客のISO9001の強い導入要請、併せて(1)全社的マネジメントシステムの構築(2)業務の標準化による社員の自発的業務推進の活性化も目指してISO9001:2008年版(品質マネジメントシステム)を認証取得した。以後5年間、ISO9001の定期審査3回、更新審査も1回実施しISOを維持されてきました。
導入当初は問題なく運用されていましたが、社員25名の会社組織としてはシステム文書に規定類も多く実際の業務に不便を感じるようなり、定期審査に備えに記録類を一括整備することも頻発していました。又、内部監査員も変更すること無く内部監査も形式化しており、
ISO9001:2015年版更新審査対応を検討するに当り、同社は現状のシステムの簡素化を通じて運用の利便性を高め、社員の参画意識の一層の高揚を図ることをご検討。ホームページで知った当社の「ISOリフォーム」の診断を受けられました。
2.実施内容
- 初期診断結果
- 所属する食品工業会の既存規定が1つとISOのために作成した規定が13あり、少人数組織用としては、文書数が多い。一般の雛形を当てはめた程度であり、使いづらいものとなっていました。
- 必要性の低い目標の設定、及び目標管理が不十分なため、結果として、品質目標が会社業績に寄与できていない状況となっていました。
- 登録審査当時の内部監査チェックリストをしているため、有効な内部監査結果が得られず、組織にとって役立たないものとなっていました。
- 実施内容
このリフォームのアウトプットは、上記診断結果に基づく対策の実施と考え、2015年版移行の為のシステムの見直しと併せて、6ヶ月間で、改善するための計画を策定し、実行に移した。特に業務フローはゼロから見直し、業務実態の中に、規格要求事項をはめ込むように工夫しました。
3.結果
- 業務とISOの融合が図られ、ISOを実施することの違和感・抵抗感が低減された。特に受注管理、購買管理は現行業務が十分に反映され、設計・開発は、『製品』に対する顧客要望が達成できるような管理手法を採用しました。
- 品質目標=業務の改善と捉え、日頃意識していることをテーマに取り上げ、活動するような下地ができた。また、目標管理の手法・手順を理解しつつあり、これに従って実施すれば結果が出せるということを実感できた。但し、これらの成功体験は、現時点(当時)で限定され、今後、より多くの社員に浸透させていくことが、次の課題と思われます。
- 内部監査=業務の改善のネタ探しと捉えて、内部監査チェックリストを全面見直し、作成した。当然であるが、従前より有効性を見ることができるようになったが、内部監査は単なるチェックリストの変更だけでは、文頭の「改善のネタ探し」とまでは行かず、幅広い知識と、経験が改めて必要とわかり、本課題は地道に進めることとしました。