コンサルティング事例
JISQ9100認証取得:航空・宇宙及び防衛産業向け品質マネジメントシステム
認証取得企業の概要
- 業 種:機械設計
- 従業員:16人
1.企業ニーズ
同社は、既に航空機関連治工具・部品等の設計実績を持つ。またISO9001を認証取得していた。しかし今後拡大が期待される航空・宇宙分野での受注を拡大させるため、航空・宇宙産業界における品質の国際パスポートとも言われるJISQ9100:2009の認証取得が必要と判断された。
2.実施内容
- (1) システム構築
JISQ9100は、ISO9001に航空・宇宙産業特有の要求事項を追加した規格である(下図参照)。 そこで、同社の既存ISO文書をベースにコンサルタントが追加部分のサンプル文書を作成し、調整する仕方で文書を仕上げていった。要求事項の中には企業にとって経験の無い高いレベルの事項(下表参照)もあったが、システム(仕組み)が企業にとってムリ・ムダとならない様に工夫した。
追加されている要求事項例 ・プロジェクトマネジメント
・リスクマネジメント
・形態管理 など多数 - (2) 除外する要求事項
企業は現時点では設計のみであるが、将来、製造を含む事業展開を検討中である。製造に関する要求事項(箇条7.5項の一部)を除外することも出来たが、除外の無い(全ての要求事項を含む)システムとした。 - (3) 実施例
ボーイング787の主翼用治工具の設計活動で記録一式を準備した。結果、JISQ9100登録証に"航空" (*1)の文言を入れることが出来た。
(*1:実施例がなくてもJISQ9100認証取得は可能。但し、航空・宇宙・防衛の文言を入れるには各業界との取引実績が必要)
3.結 果
- (1) システム構築(運用開始まで)に要した期間
約半年で完了した。 - (2) 審査およびOASISデータベース登録
企業は、審査機関として、日本でISO審査実績が最大の機関を選択された。審査不適合に対する是正処置完了後、国際的なベンダーリストである"IAQG-OASISデータベース(Web Site)"に登録された。