ISO発行・改訂情報

OHSAS18001がISO規格化へ

1.OHSAS18001の国際規格化

ISO(国際標準化機構)において、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格化の構想は、1997年と2000年の過去2回、採択のための投票がありましたが、いずれも否決・非承認されました。OHSAS18001は、BSI(英国規格協会)を中心としたチームにより、否決・非承認への対応処置として、1999年に発行され、現在は2007年版が適用されています。

2013年にBSI より3回目の国際規格化の提案があり、投票の結果、可決され、6月に新しいプロジェクトコミッティー(ISO/PC283)が設置され、10月に第1回会議が開催されました。可決された最大の理由は、これまで国際規格化の障壁となっていたILO(国際労働機関)との関係が改善されたことによります。

2.ISO45001発行スケジュール

今後OHSAS18001は、「ISO45001」としてISO規格となる予定です。(ISO18001は別の規格で既に発行されているためISO45001となる。)

2014年7月にCD(委員会案)が発行されており、当初のISO化へのスケジュールは次の通りですが、これより若干遅れる見込みです。

  • 2015年7月 DIS(国際規格案)
  • 2016年7月 FDIS(最終国際規格案)
  • 2016年9月 ISO45001発行

3.ISO45001の特徴

ISO45001の特徴は、現在改訂作業中のISO9001ISO14001と同様に、「ISO専門業務用指針 附属書SL」が適用されることです。

  • HLS(High Level Structure)…上位構造:4章~10章
  • 共通テキスト:共通の要求事項…43個のshall

現在のOHSAS18001:2007は、ISO14001:2004を考慮したマネジメントシステムとなっていますが、HLSや共通テキストを適用して開発されるISO45001では、他のマネジメントシステムと統合して構築することも容易となります。

ISO45001のJIS化や、認証制度スキームについての論議はこれからで、ISO9001やISO14001の実情を考慮した形になるものと推定されます。