ISO発行・改訂情報

ISO9001:2015移行支援

1.ISO9001:2015の発行

 2015年9月15日に、ISO9001:2008 品質マネジメントシステム-要求事項 の改正版にあたるISO9001:2015が発行されました。

 それに伴いISO9001:2015発行から3年以内(2018年9月14日までに認証書の発行)に新規格に移行する必要があり、移行審査を受けるにあたっては、QMS(品質マネジメントシステム)をISO9001:2015に準拠して運用している実績(内部監査、マネジメントレビュー)が必要となります。また、運用開始時には、改めて新QMSの社員教育や内部監査員への教育も必要となります。

移行スキーム

2.ISO9001:2015の構成

 ISO9001:2015は、MSS共通テキスト(HLSとも呼ばれる)を採用して開発されており、箇条4~10からなるPDCA(Plan:箇条4~7 Do:箇条8 Check:箇条9 Act:箇条10)で構成されています。

 また、ISO 14001(環境)も、同様の箇条10からなる構成で改訂され、ISOマネジメントシステム規格構成の共通化が進んでいます。

ISO9001:2015の構成
Plan
(計画)

4 組織の状況

 4.1 組織及びその状況の理解
 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス

5 リーダーシップ

 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
 5.2 方針
 5.3 組織の役割、責任及び権限

6 計画

 6.1 リスク及び機会への取組み
 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定
 6.3 変更の計画

7 支援

 7.1 資源
 7.2 力量
 7.3 認識
 7.4 コミュニケーション
 7.5 文書化した情報

Do
(実施)

8 運用

 8.1 運用の計画及び管理
 8.2 製品及びサービスに関する要求事項
 8.3 製品及びサービスの設計・開発
 8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理
 8.5 製造及びサービス提供
 8.6 製品及びサービスのリリース
 8.7 不適合なアウトプットの管理

Check
(チェック)

9 パフォーマンス評価

 9.1 監視、測定、分析及び評価
 9.2 内部監査
 9.3 マネジメントレビュー

Act
(処置・改善)

10 改善

 10.1 一般
 10.2 不適合及び是正処置
 10.3 継続的改善

3.ISO9001:2015の主な改訂内容

 ISO9001の主な改訂内容は、ISO 9001:2008の基本的な取組みを活かしながら、他のISOマネジメントシステムの規格構成の共通化に伴い、全体的に強化・明確化されているのが特徴です。

 今回の改訂は、一見大きな変更は無いように見受けられますが、①HLS採用による構成の変更や、②リスク及び機会取り組み、新たに追加・補強される要求事項に対応するためには、相当な負荷が掛かると推測されます。

条項番号
改訂ポイント
ISO9001:2008
との比較
新規 強化
4. 組織の状況 【4.1】組織及びその状況の理解として、組織の外部/内部の課題を決定する。  
【4.2】利害関係者とそのニーズ及び期待を決定する。  
【4.3】QMSの適用範囲を定めるため、その境界及びその適用可能性を決定する。  
5. リーダーシップ 【5.1.1】事業プロセスへのQMS要求事項の統合。プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方の利用を促進する。  
6. 計画
【6.1】リスク及び機会を決定し、取り組むプロセスをQMSに統合し、実施・有効性を評価する。(予防処置を取り込む)  
【6.2】品質目標及びそれを達成するための計画策定:プロセスに対する目標確立をする。  
7. 支援
【7.1.2】 QMSの有効な運用に必要な要員を提供する。  
【7.1.4】 プロセスの運用に関する環境(社会的、心理的、物理的)を管理する。  
【7.1.6】製品及びサービスの適合を達成するための組織の知識を決定し、利用できる状態にする。  
【7.4】内部及び外部のコミュニケーションを決定する。  
【7.5】“文書”“記録”の表現が“文書化した情報”に統一された。  
8. 運用
【8.1】QMS運用のプロセスを計画する。また、計画の変更によって生じた結果をレビューし、有害な影響を軽減する処置をとる。  
【8.2.4】 製品及びサービスに関する要求事項が変更されたされた場合に、関連する情報を変更する。  
【8.3】製品及びサービスへの要求事項が確立されていない場合、又は明確にさえていない場合には、設計・開発プロセスを確立する。レビュー・検証・妥当性確認が一つの要求事項にまとめられた。  
【8.4.1】外部提供者から直接顧客に引き渡される場合、製品及びサービスが規程要求事項に適合していることを確実にする。  
【8.4.3】外部提供者の施設で実施する検証又は妥当性確認活動の情報提供など。  
【8.5.1】ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する。  
【8.5.6】製品及びサービス提供に関する変更は、要求事項への継続的な適合に必要な程度までレビューし、管理する。  
【8.7】 不適合なプロセスアウトプットを管理する。  
9. パフォーマンス評価
【9.1】品質パフォーマンスとQMSの有効性を評価する。  
【9.3】マネジメントレビューのインプットに、QMSの外部及び内部の課題の変化等が追加された。  
10. 改善 【-】予防処置の要求はなくなった。ただし、【4.1】【6.1】項で同様の取組みが要求される。  

4.テクノソフトのISO9001:2015移行支援

支援項目
支援内容
成果物/支援結果
A
ISO9001:2015改訂内容の説明
半日程度の訪問で改訂内容について解説 改訂内容の理解
B
品質マニュアルの改訂
文書改訂は訪問打合せで改訂後の内容を説明 品質マニュアル
C
品質関連規定の見直し改訂
訪問打合せで規定見直し検討し、改訂後の内容を説明 品質関連規定
D
教育の支援
改訂品質マニュアルや関連規定に関する一般従業員向け教育資料の作成と教育実施のサポート 教育資料
E
ISO9001:2015対応
内部監査員養成セミナー
1日の訪問セミナーで実施し修了証を交付 ISO9001:2015対応内部監査員
F
審査前準備
教育訓練、内部監査、マネジメントレビュー実施記録の確認と移行審査に向けての準備事項を説明 審査前準備の完了
G
移行審査への対応
移行審査の指摘対応の検討と内容確認 移行登録証

 

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